「第一回:『新世紀エヴァンゲリオン』#1 壱話 使徒、襲来 OP、Aパート」レポート。

気になったところを挙げ、その意味を探る試み。探り探りです。
全然まとまらなかったが挙げるだけ挙げよう。また追記するかも。やってることがこれでいい自信はない。
書いてある時間はOP:0'00-1'30、Aパート:1'30-11'00。

  • OP
    • 1.OPの文字情報が多い。
      • ひどく説明的でもあり、示唆的でもある。
    • 2.OPアニメーションのスタッフクレジット:作画、演出の大きな表示。
      • というのはこのアニメの重視する一つの方向性を表しているのだろう。
  • Aパート
    • (1'30)時に、西暦2015年
      • ナレーションではなく文字による説明。ナレではなく文字情報で提示するというのは物語的なものの始まりということだろうか。
    • (1'55)水しぶきの枚数が少ない。遠近感の演出?
      • 距離が離れた地点での出来事であるのでぼやけて映るということが少ない中割りで表現されている。
    • (2'20)走るミサト車→車内のシークエンスにおいて途切れること流れる避難アナウンス。
    • -
    • (2'35)案内標識。第三新東京市、御殿場。
      • 舞台がどこであるか"御殿場 35km"でおおよそ示すとともに、"第三新東京市 13km"を併記することででフィクショナルな前提条件を説明している。
    • (2'50)鳩が飛ぶ→そちらを向いたシンジ。
      • 鳩の方に"向く"シンジは描かれていない。
    • (2'56)衝撃波の効果。
      • 空気が歪むような演出が心地良いのは、衝撃の強さが視覚を通してわかりやすく伝わっているからだと思うが、おそらくは衝撃波で空気は見えるようには歪まないはずだ。
    • (2'58)衝撃波で揺れる電線の音。
      • ここは繊細な音のつけ方をしていると思う。あるいは神経質な。先ほどの視覚での衝撃波の表現に対する聴覚への説明でもあるだろう。
    • (3'24他)司令の眼鏡に映りこむ映像。
      • 説明的な眼鏡だ。
    • (3'30)サブタイトル:初めてBGMが流れる。
      • 逆にふとこれまでBGMという"不自然"な状況・心情説明音がなかったことに気づかされるが、夏のSE、避難アナウンスが必要以上におしゃべりでもあった。緊張感をさらに緊迫した空気にぐっと変えることにもなっている。
    • (3'48)消える電線の線。
      • 光の加減でものが一部見えないというのはある種当たり前のことであるが、それと記号的省略があわさりダイナミックでスタイリッシュな表現になっていると思う。というほどのことでもないとは思うが。
    • (3'50)飛ぶとき光る使徒
      • 既存の物理法則を無視するように飛ぶ物体に対する何らかの理由付けがないと受け入れにくい我々への説明かもしれない。あるいはハロー的な。やはり巨大物体が飛ぶには何か理由が必要なのだ。
    • (3'56)間一髪で爆発を遮るミサト車。
      • 影として登場する。何故だか助かったシンジと何故だか助かっているシンジを見る我々。
    • (4'35〜)国連軍幹部、顔映さず→少し映る→司令副指令登場。
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    • (4'50)ミサイルを受け止める使徒→発令所。
      • ここのシーンはちょっと面白かった。BGMは少しお尻のほうがカットが切り替わってもかかってくるのだが、SEに関しては爆発音が転換に伴い、スパッと切られて、発令所のSEになる。発令所に入るシーンの直前は結構ヘリ音など大きめな音が多いのだが、あるいはまさに現場の地上とあくまで地下の発令所という対比かも知れない。そしてBGMをつなぐことで一連のシーンの続きであるとも言っているし、SEをがらっと変えることでカットの切り替えをスムーズにしているとも言えるのではないか。
    • (5'20)「NN地雷を使うわけ?」のミサトの声が割れている。
      • ここのミサトの声が割れているのが良く理解できない。単に録音技術的な意味において割れているだけのような気もする。なので逆にここはOPのクレジット並みに現実世界が顔をのぞかしているカットなのではないか。
    • (7'19)車内のミサトのモノローグ/場違いなBGM。
      • ここも不思議なカットだ。明らかにそこまでの硬派な流れに比べて場違いなBGMが流れる。強制的に我々の意識を次に持っていこうとしているのか?
    • (8'15)トンネルへ入る車の演出がマンガ的。
      • そしてこの一連のシーンの最後はマンガ的に跳ねる車の演出。
    • (8'45)カートレインのところで初めて「NERV」ロゴ。
      • ここまで出てくる組織名は「UN」のみ。そしてこのシーンで初めてNERVという組織の説明がなされ、司令が父親、父親が司令であることがわかる。ミサトも国際公務員だと言っていたしUN軍で戦うのかな? というのがミスリードであるとわかり、インサートされる電車の通るカットはシンジの心の波を表しているか。
    • (10'37)「私と同じね」(ミサト)→ジオフロント
      • 意味深な台詞に突っ込む隙を与えないことで物語が引っ張られていく。あるいはミサトの台詞に物語内においてジオフロント並の広さを用意しているのかもしれない。
    • 発令所のSEの記号化。
      • 電話の音や機械の音。この音を聴いただけで発令所のシーンだとわかりすぎるきらいがある。であるからしてギャグタッチのドラマCDのバックでずっと流れていたのだとも言える。このことはもうちょっと突き詰めたい。
    • 完全に無音の部分は最初のカット(時に、西暦2015年)と綾波のカット、泣く幼いシンジ、アイキャッチ
      • 思った以上に音の付いていないカット、シーンが無かった。であるから無音のシーンが印象に残るのであるが。無音のシーンが同じ意味を持つとは考えられないが、これだけしかないと似た意味合いを持つと考えても悪くないのかもしれない。あるいは最初のカットとアイキャッチはアニメよりも一つ高次の次元からの挿入であり、綾波にもそれくらいの重みが置かれているということの表出かもしれない。泣くシンジは回想であることが時間的な距離とそれの心理的な距離がひどく大きいということか?